算数オリンピックも「いいね!」
2023年中学入試問題を紹介!
<問題17>
東海中学校 2023年
1から9の数字が1つずつ書かれた9枚のカードを、A、B、Cの3人に3枚ずつ配ってゲームをしました。
(1) | 1回目のゲームでは、配られた3枚のカードの数字の和をその人の得点とします。Aのカードは2、3、5、7のカードのうちの3枚で、Bの得点はAの得点より1大きく、Cのカードの数字はすべて偶数でした。3人の中でBの得点がいちばん大きかったとき、3人のカードの数字をそれぞれ小さい順に答えなさい。 |
(2) | 2回目のゲームでは、9枚のカードのうちの1枚のカードをマイナスカードとします。このカードが配られた人だけは、残りの2枚のカードの数字の和から、マイナスカードの数字を引いた数を得点とします。ただし、残りの2枚のカードの数字の和よりマイナスカードの数字が大きいときは、得点を0とします。他の2人は、1回目のゲームと同じように得点を計算します。Aの得点が5、Bの得点が11、Cの得点が13だったとき、マイナスカードの数字を答えなさい。 |
(3) | 3回目のゲームでは、2回目のゲームで配られた自分のカードから、数字が見えないようにして各自1枚を選び、そのカードを同時にAはBに、BはCに、CはAにわたします。2回目のゲームと同じように得点を計算したところ、Cの得点はカードを交換する前より5減り、3人の得点の合計は、カードを交換する前の3人の得点の合計とはちがう数になりました。3人が選んだカードの数字をそれぞれ答えなさい。ただし、2回目と3回目のゲームで、マイナスカードの数字は同じです。 |
※中学校の許可を得て掲載しています。
【解答】
(1)A(3,5,7) B(1,6,9) C(2,4,8)
(2)8
(3)A:8 B:4 C:9
【解説】
情報を整理して、強い制約から考えてみましょう.
(1)
Aのカードの組み合わせとして考えられるものが4通り, Bはたくさん, Cは4通りなので, AまたはCのカードの組み合わせから場合分けするのが得策かと思います. ここではCで場合分けします.
[1] (2, 4, 6)のとき
Aのカード は(3, 5, 7) で, 残りのBのカードは(1, 8, 9)です. Bの得点はAの得点より1大きくないので不適です.
[2](2, 4, 8)のとき
Aのカード は(3, 5, 7) で, 残りのBのカードは(1, 6, 9)です. Bの得点はAの得点より1大きいので, これは適しています.
[3] (2, 6, 8)のとき
Aのカード は(3, 5, 7) で, 残りのBのカードは(1, 4, 9)です. Bの得点はAの得点より1大きくないので不適です.
[4](4, 6, 8)のとき
A の得点とBの得点の和は 1+2+3+5+7+9=27 なので, Bの得点はAの得点より1大きいことから, Aの得点は13点です. 得点が13点になるようにカード2, 3, 5, 7 から 3枚選ぶことは不可能なので, これは不適です.
よって, A(3,5,7) B(1,6,9) C(2,4,8) が答えです.
(2)
Aが小さすぎるのではないか?という違和感を持ちたいです.
A にマイナスカードがないと仮定すると, Aの得点は少なくとも1+2+3=6点です. Aの得点は5点なので, マイナスカードを持っているのはAです.
もしマイナスカードが通常のカードだったなら, Aの得点は
(1+2+3+4+5+6+7+8+9)-11-13=21点でした.
マイナスカードの数字を○とします. 通常のカードをマイナスカードに変えると得点は〇 × 2 減るので,
21 - ○ × 2 = 5
よってマイナスカードに書かれた数字は○=8です.
(3)
3人の得点の合計が変わるとはどういうことでしょうか?
マイナスカードを持っていて得点の合計がマイナスになってしまう人は, 得点が0になると書かれています.
つまりAはBにマイナスカードの8を渡し, Bのマイナスカードではない2枚のカードの数の合計は7以下です. さらにCの交換後の得点は13-5=8です.
Cが交換後持っているカード3枚の組み合わせは, (1,2,5)(1,3,4)のどちらかです.
[1] (1,2,5)のとき
Bが交換後持っているカードは(3,4,8)に決定できます. Aが交換後持っているカードは(6,7,9)です.
Aが交換前持っているマイナスカードではない2枚のカードの数の合計は21-8=13なので, Aは交換でCから9をもらっています.
Cは交換で合計が5減ったので, Bに4もらってAに9渡しているはずです. しかしCの交換後のカードの組み合わせ(1,2,5)に4はなく, これは不適です.
[2](1,3,4)のとき
Bが交換後持っているカードは(2,5,8)に決定できます. Aが交換後持っているカードは(6,7,9)です.
Aが交換前持っているマイナスカードではない2枚のカードの数の合計は21-8=13なので, Aは交換でCから9をもらっています.
Cは交換で合計が5減ったので, Bに4もらってAに9渡しているはずです. つまり, AがBに8を渡し, BがCに4を渡し, CがAに9を渡しています. これは確かめると, 適しています.
よって求める数は, Aは8, Bは4, Cは9です.