算数オリンピックも「いいね!」
2023年中学入試問題を紹介!
<問題15>
駒場東邦中学校 2023年
整数Aに対してAの各位の数の和をBとするとき、BがAの約数である整数Aを考えます。例えば、A=48のときB=4+8=12より、BはAの約数なので条件を満たします。
① | 4つの数字0、2、2、3を並びかえた4けたの整数は全部で何個ありますか。また、それらの整数のうち、条件を満たす整数をすべて答えなさい。 |
次に、条件を満たす整数Aをその各位の数の和Bで割った商を考えます。例えば、41から50までの整数について、条件を満たす整数は42、45、48、50であり、それぞれの商を考えると、
- 42÷(4+2)=7
- 45÷(4+5)=5
- 48÷(4+8)=4
- 50÷(5+0)=10
となります。このとき、一番小さい商は4、一番大きい商は10です。
② | 2001から2050までの整数について、同じように商を考えると、一番小さい商はア、一番大きい商はイです。ア、イにあてはまる数を答えなさい。 |
※中学校の許可を得て掲載しています。
【解答】
(1)9個、2023と3220
(2)ア: 169 イ: 670
【解説】
①
千の位が2のとき, (0, 2, 3)の並び方は6通り.
千の位が3のとき, (0, 2, 2)の並び方は3通り.
答えは合わせて 6 + 3 = 9 通りです.
4つの数字0, 2, 2, 3を並びかえた4けたの整数の各位の和の数は, 必ず7になります.
9通りの4けたの整数のうち, 7で割り切れるものは2023, 3220の2つです.
②
2001から2050まで50個全部試せば答えは分かりますが、さてどうやって楽に解きましょうか?
割る数と割られる数(各位の数の和)の表を書いてみます.
÷3 | ÷4 | … | ÷12 | ÷13 | ÷14 | ÷15 |
2001 | 2002 | |||||
2010 | 2011 | 2019 | ||||
2020 | 2028 | 2029 | ||||
2037 | 2038 | 2039 | ||||
2046 | 2047 | 2048 | 2049 |
ここで, 商の大小を決めるには「割る数の大小」が重要ということに気づきます. なぜなら割られる数は2001から2050と大きいわりに狭い範囲を動くので,
2050÷3 > 2001÷3 > 2050÷4 > 2001÷4 >…>2050÷14 > 2001÷15 > 2050÷15
が成り立つからです.
一番小さい商を求めるには, まず割る整数を大きく, 次に割られる整数を小さくしていって, 商が整数になるものを見つければよいです. 順に割っていきます.
2049÷15 = 136…9
2039÷14 = 145…9
2048÷14 = 146…4
2029÷13 = 156…1
2038÷13 = 156…10
2047÷13 = 157… 6
2019÷12 = 168…3
2028÷12 = 169 ←割り切れた
よって一番小さい商は169です.
一番小さい商を求めるには, まず割る整数を小さく, 次に割られる整数を大きくしていって, 商が整数になるものを見つければよいです. 同じように順に割っていきます.
2010 ÷ 3 = 670 ← 割り切れた!
よって一番大きい商は670です. 今回は早かったですね.
油断して2001÷3=667と誤答しないように考察しましょう.
非常に多くの割り算をする必要がありましたが, nの倍数判定法を知っていると楽できたと思います.
2の倍数:下一桁が偶数
3の倍数:各位の和が3の倍数
4の倍数:下二桁が4の倍数
5の倍数:下一桁が5の倍数
9の倍数:各位の和が9の倍数
例えば÷12, ÷14をするときは下一桁が偶数でない2019, 2039は必ず割り切れないので, 初めに除外できます. とはいえ÷13などは割っていかなければいけないのですが.