<問題11>
早稲田中学校 第1回 2023年

 4つのチームA、B、C、Dが総当たり戦を行い、勝ったチームには3点、引き分けたチームには1点ずつ入り、負けたチームには点は入りません。総当たり戦がすべて終わった後、各チームの監督は次のように言いました。B、C、Dはそれぞれ何点ですか。

  • Aの監督 「私のチームの合計は7点でした。Dに勝っていれば全勝でした。」
  • Bの監督 「私のチームには引き分けがありません。」
  • Cの監督 「4チームの点をすべて足すと、16点になりました。」
  • Dの監督 「私のチームはCより点が低かった。」

※中学校の許可を得て掲載しています。

【解答】

B:3点 C:4点 D:2点

【解説】

論理パズルです. 総当たり戦の表を書いて, 分かるところから埋めていきましょう.
ここでは「まだ使っていない情報は何か」を意識します.
使用した情報に取り消し線を引くなどすると, まだ使っていない情報がすぐ目に見えてわかるのでおススメです.

A B C D 勝ち点
A 7
B
C
D

行に対して列は戦ったチームを表します. 勝ちを〇, 引き分けを△, 負けを×と表します.
Aの監督の発言から見ていきましょう.
Aの監督の発言のより, AはBとCに勝っていることが分かります. Aの勝ち点の合計が7ということは, AがDと戦って得た勝ち点は 7 – 3 – 3 = 1(点)です. よって(A対D)は引き分けです. 表に書き込みます.

  A B C D 勝ち点
A 7
B ×
C ×
D

Bの監督の発言はあまり情報が得られないので飛ばして, Cの監督の発言「4チームの点をすべて足すと, 16点になりました」について考察します.

1試合につき, 勝ち負けが決まった試合なら両チームの勝ち点の合計は3 + 0 = 3点に, 引き分けの試合なら両チームの勝ち点の合計は1 + 1 = 2点になります. 6試合やって勝ち点の合計が16点なので, つるかめ算で何試合引き分けの試合があったのか計算できます. 引き分けの試合がないと仮定すれば6試合の勝ち点の合計は3×6 = 18点ですが, 勝ち負けの決まった試合から引き分けの試合に変わると6試合の勝ち点の合計は3 – 2 = 1点減るので, 引き分けの試合数は (18-16)÷(3-2)=2(試合) です. これにてCの監督の情報はすべて使い切りました.

A対Dが引き分けの試合であることは既に分かっているので, (B対C)(B対D)(C対D)の試合のうち一つが引き分けの試合です. そして, Bの監督の発言よりBは引き分けの試合をしていないので, 消去法で(C対D)の試合が引き分けであることが分かります.
まだ試合結果が分からないのは(B対C) (B対D)で, これらに引き分けはありません. 残る情報はDの監督の発言だけです. DがCに勝ち点の合計で負けているということは, 今わかっている中でC, Dの勝ち点の合計はそれぞれ1, 2点なので, (B対C)の試合でCが勝ち (B対D)の試合でDが負けるしかありえません.


  A B C D 勝ち点
A 7
B × × 3
C × 4
D × 2

以上よりB, C, Dの勝ち点の合計はそれぞれ 3, 4, 2点です.