<問題1>
開智中学校 算数特待 2023年

次の.にあてはまる数を求めなさい。
4けたの数.は、9倍すると数字の並び順が逆になります。

※中学校の許可を得て掲載しています。

【解答】

1089

【解説】

さすがに4桁の数を全て探索するのは面倒くさいので, 論理的に答えの候補を絞り込んでいきましょう. 最初の手掛かりが少なく難しいです.

条件を文字でおいて整理します. 4桁の数をアイウエとおくと, 条件はアイウエ×9=エウイアです.ここで注目すべきは, 「4桁の数を9倍しても4桁の数になる」という強力な条件です.
エウイア < 10000なので, 1000 ≦ アイウエ < 10000/9 < 1112 です.
よってア=1が確定し, イ=0または1 も分かります. また
エウイア = アイウエ×9 ≧ 1000×9 = 9000 より, エ=9が分かります. (エを9倍すると一の位がア=1になることからも, エ=9が分かります.)

9000通りあった4桁の数が11通りに絞れました. イの値で場合分けします.
イ=1のとき, アイウエ = 11ウ9 < 1112 よりウ=0しかありえませんが, 1109×9=9981 と9倍しても並び順が逆にならないので不適です.
イ=0のとき, 10ウ9 × 9 = 9ウ01 となります. ここで十の位の計算に着目しましょう. ウ×9を計算し, 一の位からくり上がる9×9=81の8を足すので, ウ×9 + 8 の一の位が0です. このようなウは8しかあり得ません. そして, 1089×9=9801と並び順が逆になっています. (やった!) よってこの問題の答えは1089です.

9の倍数判定法を知っていると, 「nが9の倍数⇔nの各位の和が9の倍数」を用いて, エウイアが9の倍数なのでエ+ウ+イ+アが9の倍数であることが分かります. 11通りに絞れたあとにエ+ウ+イ+アが9の倍数であることを用いても解くことができます.

パズルのように論理的に答えが決まっていく, 美しい問題でした.