<問題5>
渋谷教育学園幕張中学校 一次 2024年

次の各問いに答えなさい。
ただし、角すいの体積は、(底面積)×(高さ)÷3で求められるものとします。

(1)【図1】のように、立方体の展開図に点線をひきます。もとの折り目に加え、点線部分も折り目とし、すべての折り目が立体の辺になるようにして、この展開図を組み立てると、【図2】のような立体ができました。この立体の体積は何cm3ですか。

(2)【図3】のように、正方形BECDの対角線を一辺とする正三角形ABCを考えます。【図4】の展開図において、は合同な二等辺三角形で、は【図3】の正三角形ABCと合同です。この展開図を組み立てて立体を作ると、二種類の立体が作れます。そのうち、体積が大きい方の立体を立体A、体積が小さい方の立体を立体Bとします。立体Aの体積は、立体Bの体積より何cm3大きいですか。

(3)【図5】の展開図において、は合同な台形で、は合同な正三角形です。この展開図を組み立てて立体を作ると、二種類の立体が作れます。そのうち、体積が大きい方の立体を立体C、体積が小さい方の立体を立体Dとします。2つの立体C、Dの体積の比(立体Cの体積):(立体Dの体積)を、最も簡単な整数の比で答えなさい。

※中学校の許可を得て掲載しています。

【解答】

(1)207cm3 (2)85 1 3 cm3 (3)8:7

【解説】

  1. この立体は、下の図の立体Eから立体F(たて3cm、横3cm、高さ3cmの三角錐)をひいたものである。
    立体Eは、一辺が6cmの立方体から、立体Fをひいたものであるから、体積は
    6×6×6-3×3× 1 2 ×3× 1 3 = 216 - 4.5 = 211.5cm3。 よって答えは211.5 - 4.5 = 207 cm3
  2. 立体Aはの部分が出っぱっていて、立体Bはの部分がへこんでいる。
    立体Aの四角形PQRS、立体Bの四角形P’Q’R’S’はともに正方形で、一辺の長さは正三角形の一辺の長さと等しいので、対角線は8cmとなる。
    立体Aと立体Bの体積の差は、下の図の正八面体Gの体積と等しい。
    立体Gの赤色の正方形は、対角線の長さが8cmなので、面積は8×8× 1 2 = 32cm3
    よって立体Gの体積は32×8× 1 3 256 ── 3 =85 1 3 cm3
  3. 下の図の辺aがどこの辺と合わさるかを考えると、辺bと合わさる場合と、辺cと合わさる場合があることが分かる。
    辺aが辺bと合わさるとき:
    を使ってできた立体を2つつなげた形になる。この立体を立体Hとする。
    辺aが辺cと合わさるとき:
    を使ってできた立体を2つつなげた形になる。この立体を立体Hとする。
    上の図を見ると、立体Iよりも立体Hのほうが大きいことが分かるので、
    立体H×2=立体C、立体I×2=立体Dである。
    よって体積の比は立体C:立体D=立体H:立体I。
    立体Hと立体Iは、それぞれ断頭三角柱とみると、断面積が等しいので、立体Hと立体Iの体積の比はそれぞれの高さの比と等しいことが分かる。

    よって答えは 12+18+18 ──── 3 12+12+18 ──── 3 =8:7。

<コメント>
立体H、立体Iを見たら、すぐに「断頭三角柱だ!」と分かるようにしておきましょう。