
算数オリンピックトライアル大会
ファイナル進出への「この1題」!

<ジュニア広中杯>
問題11 石取りゲーム
先手と後手が交互に石をとり、最後の石をとったほうが勝ち、という石取りゲームをする。
先手は最初、1つだけ石をとり、次に後手は1個か2個の石をとる。
続けて、先手は1個か2個か3個の石を、後手は1個か2個か3個か4個の石をとる、というように、回を重ねるごとに、選べる石の数は1個ずつ増えてゆく。
石の個数が2024個であるとする。
先手と後手が最善を尽くすとき、このゲームは先手、後手のどちらが勝つか。
(正答率:5.2%)
<解答>
後手
<講評・ワンポイントアドバイス>
正答率5.2%ということですから、かなりの難問ですね。
模範解説とは少し別の角度から考えてみます。
先手が1回取って、後手が1回取り終えたとき、その操作を1回のターンとします。
先手がNターン目までに取ることのできる石の個数はN ~ N2
※ 1から連続するN個の奇数の和=N2
後手がNターン目までに取ることのできる石の個数はN ~ N2 + N
※ 2から連続するN個の偶数の和= N2 + N
Nターン目までに先手と後手が取る石の合計を考えます。
先手が最低個数(N)で、後手が最大個数(N2 + N)の場合 ⇒ 全部でN2 + 2N
先手が最大個数(N2)で、後手が最小個数(N)の場合 ⇒ 全部でN2 + N
以上より、後手が(N2 + N)個目から(N2 + 2N)個目までを取ることができるような石取りパターンが存在するわけです。N=44 のとき N2+N=1980個, N2+2N=2024個なので、最善を尽くせば(ギリギリ)後手必勝ということがわかります。※ 実際にこのゲームをプレーするときの「必勝法」は模範解説を参考にして下さいね。
なんとなく三角数に着目して考えた方も一定数いたのかもしれませんが、解に至る具体的なアプローチは見い出せないですね…。とは言え別解が色々とありそう(?)ですから、時間の余裕があるときにゆっくり楽しみながら研究してみるとよいのではないでしょうか。